医療コラム

  1. HOME
  2. 医療コラム
 

COLUMN医療コラム

富士登山シーズン前に|広島市南区・宇品の専門医が解説する「高山病」と予防薬の本当のところ|うじな家庭医療クリニック

夏は登山のシーズン。富士山や、海外の標高の高い土地へ出かける方も多い時期です。広島市南区・宇品の当院でも、近ごろ「高山病が心配」「予防薬をもらえますか」というご相談が増えています。この記事では、高山病(急性高山病・AMS)とはどんなものか、そして予防薬「ダイアモックス」について、誤解されやすいポイントも含めて整理します。

📍 当院(うじな家庭医療クリニック)は内科・小児科・がん薬物療法・在宅診療を行う宇品東のかかりつけクリニックです。登山や海外渡航の前のご相談もお気軽にどうぞ。

⛰️ 高山病(急性高山病・AMS)とは

高山病は、標高の高い場所へ急に登り、体が低酸素の環境にうまく順応できないときに起こる症候群です。一般に標高2,500m前後から注意が必要とされ、3,776mの富士山は、登るプロファイルの特性から高山病を発症しやすい山として知られています。

主な症状

頭痛・吐き気・めまい・倦怠感・食欲不振・眠れない、など。お酒に酔ったような状態(山酔い)とも表現されます。重症化すると、高地肺水腫(HAPE)・高地脳浮腫(HACE)という命に関わる状態に進むことがあります。

「体力に自信があるから大丈夫」とは言い切れません。富士登山者のうち相当数が何らかの高山病症状を経験するとされ、若い方・体力のある方でも発症します。

💊 予防薬「ダイアモックス」のよくある誤解

高山病の予防・治療に使われる代表的な薬がアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)です。ただ、この薬には知っておいていただきたいポイントがあります。

⚠️ ダイアモックスは「症状を抑える薬」ではなく、体が高地に順応するプロセスそのものを早める薬です。飲んでいても高山病になる方はいますし、油断は禁物。「飲めば絶対に防げる」薬ではありません。

服用にあたっては、次のような点に注意が必要です。

  • もともとは緑内障・てんかんなどの治療薬で、高山病に対しては国内では保険適用がなく、自費診療となります
  • サルファ剤(一部の抗生物質)にアレルギーのある方は服用できません
  • 手足のしびれ、頻尿、炭酸飲料の味が変わるなどの副作用が出ることがあります
  • 登山の前日から飲み始めるのが一般的です(具体的な量・飲み方は診察の上でご案内します)

🚨 薬を飲んでいても症状が悪化する場合は、無理をせずすぐに下山することがいちばんの対処です。重症の高地肺水腫・高地脳浮腫には、この薬は効きません。

🥾 薬に頼りすぎない予防の基本

  • 一気に登らず、ゆっくり高度を上げる(可能なら途中で一泊する)
  • 5合目などでしばらく体を慣らしてから登り始める
  • こまめな水分補給を心がける
  • 体調に異変を感じたら、それ以上登らない・引き返す勇気を持つ

💰 当院の高山病予防薬について(料金のご案内)

当院では、医師の診察のうえで適応を確認したうえで、ダイアモックス(アセタゾラミド)を1錠55円(税込)でお出ししています。皆さまが安全に、そして楽しく登山を楽しんでいただけるよう、できるだけお求めやすい価格でのサポートを心がけています。

🏥 ご来院(対面診療)の場合

10錠であれば550円(診察代などを含む)。サルファ剤アレルギーの有無や、現在お飲みのお薬との兼ね合いも、その場で確認できます。

💻 オンライン診療の場合

システム利用料880円+送料(レターパック430円)+薬代のみ。遠方の方やお忙しい方も、ご自宅から準備いただけます。

※高山病予防薬は自由診療(自費)です。処方には医師の診察が必要です。体質・既往歴・併用薬によっては処方できない場合があります。

当院は、登山や高地への旅行を控えた方のご相談・診察を承っています。お薬の処方をご希望の場合は、出発までに余裕をもってご相談ください。あわせて健康診断・体調のご相談もお受けしています。海外渡航の場合は、ワクチンについても早めのご準備がおすすめです(渡航ワクチンの関連コラムは順次公開予定です)。

監修

瀬尾 卓司(せお たくじ)

がん薬物療法専門医・家庭医療専門医・総合診療指導医

うじな家庭医療クリニック 院長
〒734-0003 広島県広島市南区宇品東6-2-47
TEL:082-256-4500
診療科目:内科・小児科・がん薬物療法・在宅診療