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手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の見分け方|広島市南区・宇品の小児診療|うじな家庭医療クリニック

監修:瀬尾 卓司(せお たくじ) うじな家庭医療クリニック 院長/家庭医療専門医・がん薬物療法専門医・総合内科専門医
広島市南区宇品で、子どもから高齢者まで地域のかかりつけ医として診療を行っています。

毎年6〜8月になると、子どもの発熱で受診される方が一気に増えます。なかでも「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」は夏かぜ三兄弟と呼ばれ、保育園・幼稚園・学校で集団流行することも珍しくありません。

3つはどれも「発熱+のどの症状」が出るため、保護者の方からは「うちの子はどれですか?」というご質問をよくいただきます。今回は広島市南区・宇品エリアの保護者の方に向けて、家庭医の視点から3つの感染症の見分け方と家庭でのケア、登園・登校再開の目安を整理します。

夏かぜ三兄弟とは?まず全体像を押さえる

3つの感染症はいずれもウイルス感染症で、夏に流行のピークを迎えます。原因ウイルスは異なりますが、飛沫感染・接触感染・糞口感染で広がる点は共通しています。

感染症 主な原因ウイルス 特徴的な症状 好発年齢
手足口病 コクサッキーA、エンテロ71 手・足・口の発疹/水疱 4歳以下が中心
ヘルパンギーナ コクサッキーAなど 高熱+のど奥の水疱・潰瘍 1〜5歳が中心
プール熱(咽頭結膜熱) アデノウイルス 高熱+のど痛+結膜炎 幼児〜学童

1. 手足口病:手・足・口に発疹が出たらこれ

症状のポイント

  • 口の中、手のひら・指、足の裏・甲に2〜3mmの水疱性発疹が出る
  • 発熱は出る場合と出ない場合があり、出ても38℃前後で短期間のことが多い
  • 口の中の水疱が破れると痛みで食事・水分が摂りにくくなる
  • 近年はおしりや膝にも発疹が広がるタイプが流行することがある

家庭でのケア

特効薬はなく、対症療法が中心です。口の痛みで水分が摂れなくなることが最大の注意点で、しみにくい常温の麦茶・経口補水液・ゼリー飲料・プリン・冷ましたおじやなどがおすすめです。柑橘系ジュース・熱いもの・塩辛いものは痛みを増すので避けてください。

受診の目安

水分が半日以上摂れない/おしっこが半日以上出ない/ぐったりして反応が鈍い/高熱が3日以上続く/頭痛・嘔吐・けいれん・視線が合わないなどの神経症状がある——これらがある場合は早めにご相談ください。

2. ヘルパンギーナ:突然の高熱+のど奥の痛み

症状のポイント

  • 突然39〜40℃の高熱で発症することが多い
  • のどの奥(軟口蓋〜口蓋垂周辺)に赤い発疹や水疱・潰瘍ができる
  • 手や足には発疹が出ない(ここが手足口病との大きな違い)
  • 熱は2〜4日で下がることが多い

家庭でのケア

のどの痛みで食欲が落ちるため、脱水予防が最優先です。冷たいもの・のどごしの良いもの(アイス、ゼリー、冷ましたうどん、ヨーグルトなど)を少量ずつ頻回に。解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール®など)が安全に使えます。

受診の目安

手足口病と同様、水分摂取の量と尿の回数を一番の指標にしてください。半日以上水分が摂れない、ぐったりして起き上がれない、けいれんを起こした、といった場合は速やかに受診を。

3. プール熱(咽頭結膜熱):目の充血が決め手

症状のポイント

  • 高熱(38〜40℃)が4〜5日続くのが特徴
  • のどの強い痛み・発赤
  • 結膜炎(目の充血、目やに、涙、まぶしさ)——これが最大の鑑別点
  • 頭痛・腹痛・下痢を伴うこともある

「プール熱」と呼ばれますが、プールに入っていなくても感染します。タオルの共用や手を介した接触感染が多いためです。

家庭でのケア

こちらも対症療法が中心です。目やにはこすらず、清潔なガーゼやティッシュで優しく拭き取り、家族とのタオル共用は厳禁です。アデノウイルスは消毒用アルコールに抵抗性があるため、手洗い(石けん+流水)と次亜塩素酸ナトリウムでの環境消毒が重要です。

受診の目安

高熱が5日以上続く/目の充血や痛みが強い/視界がかすむ/水分が摂れない、といった場合はご相談ください。アデノウイルスは迅速検査で確定診断ができます。

3つの見分け方フローチャート

STEP 1:手・足・口に水疱がある?

はいなら「手足口病」の可能性が高い

STEP 2:目が充血している?目やにが出る?

はいなら「プール熱」の可能性が高い

STEP 3:高熱+のど奥の水疱だけ?

はいなら「ヘルパンギーナ」の可能性が高い

ただし、これらは典型例であり、混合感染や非典型例もあります。確定には診察が必要ですので、迷ったら早めの受診をおすすめします。

登園・登校はいつから再開できる?

3つの感染症で扱いが異なります。

感染症 学校保健安全法上の扱い 再開の目安
手足口病 出席停止疾患ではない 熱が下がり、口の症状が改善し、普段どおり食事ができれば登園可能
ヘルパンギーナ 出席停止疾患ではない 熱が下がり、食事が摂れれば登園可能
プール熱 第二種感染症(出席停止) 主要症状(発熱・のどの痛み・結膜炎)が消失してから2日経過するまで

※手足口病・ヘルパンギーナは出席停止扱いではありませんが、便からは数週間ウイルスが排出されるため、おむつ交換後や排便後の手洗いを徹底してください。
※保育園・幼稚園・学校によっては独自のルール(医師の登園許可証提出など)がある場合があります。事前に園・学校にご確認ください。

家庭での感染予防

  • 手洗い:石けん+流水で30秒。アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいので、特に重要です
  • タオル・食器の共用を避ける
  • おむつ替えの後は必ず手洗い(便からの感染を防ぐため)
  • 環境消毒は次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤の希釈液)が有効です

うじな家庭医療クリニックの小児診療について

当クリニックは広島市南区宇品で、お子さまから高齢者の方まで「家族みんなのかかりつけ医」として診療を行っています。家庭医療専門医が、夏かぜ三兄弟の鑑別はもちろん、夏の脱水・とびひ・あせも・虫刺されなど、夏に多い小児疾患全般に対応します。

「これくらいで受診していいのかな?」と迷うレベルこそ、かかりつけ医の出番です。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

うじな家庭医療クリニック 〒734-0003 広島県広島市南区宇品東6-2-47
TEL:082-256-4500
診療科目:家庭医療科・内科・小児科・がん薬物療法
クリニック公式サイトへアクセス・診療時間ご予約

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状でご心配がある場合は、医療機関を受診してください。