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新社会人として初めて営業車に乗る方、転職を機に配送・送迎・訪問業務など運転を伴う仕事に就く方にとって、運転技術と同じくらい大切なのが体調管理です。広島は日常の移動手段として自動車だけでなく路面電車も身近な地域で、安全な交通環境への意識が高い土地柄です。だからこそ、業務でハンドルを握る方には、働き始める前に「眠気の背景」を確認しておくことをおすすめします。Source
「いびきが大きい」「夜中に何度もトイレに起きる」「朝起きても頭が重い」「会議中や運転中に強い眠気を感じる」。こうした症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群、いわゆるSAS/OSASが隠れていることがあります。日本呼吸器学会では、SASの主な症状として、いびき、夜間頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛などを挙げており、日中の眠気は作業効率の低下だけでなく、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなり得ると示しています。Source
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まることで深い睡眠がとれず、日中の強い眠気につながる病気と説明されています。さらに、ひどいいびきや睡眠中の呼吸停止がある場合には、速やかに専門の医療機関で検査・治療を受けることが大切だと案内されています。「疲れているだけ」「まだ若いから大丈夫」と自己判断してしまう方もいますが、運転業務に就く方にとっては、その見過ごしが安全面の不安につながることがあります。Source
実際に、国土交通省の自動車運送事業者向けSAS対策マニュアル簡易版では、SAS患者の交通事故リスクはSASでない人に比べて約2.4倍とされています。また、SAS対策としては早期発見・早期治療が重要であり、運転者へのスクリーニング検査が推奨されています。一方で、適切な治療が継続されていれば運転業務は可能とされており、検査は「仕事を止めるため」のものではなく、「安全に働き続けるため」の確認と考えることができます。Source
SAS/OSASが疑われる場合は、まず簡易検査で睡眠中の呼吸状態を確認し、必要に応じてPSG(終夜睡眠ポリグラフ)などの精密検査につなげていきます。日本呼吸器学会でも、問診などで疑われる場合には携帯型装置による簡易検査やPSGで評価すると案内しています。いびき、夜間頻尿、日中の眠気が続いている方、ご家族から「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われたことがある方は、安心して業務を始めるためにも、一度相談してみてはいかがでしょうか。Source
運転の仕事では、「眠いけれど頑張る」よりも、「安全に働き続けるために確認する」ことが大切です。広島でこれから運転業務に就く新社会人・転職者の方へ。いびき、夜間頻尿、日中の眠気があるなら、体質や疲れのせいにせず、OSAS検査の受診をご検討ください。早めの確認が、あなた自身の健康と、毎日の安全運転につながります。