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子どものとびひ(伝染性膿痂疹)|広島市南区・宇品の家庭医療クリニックでの治療|うじな家庭医療クリニック

監修:瀬尾 卓司(せお たくじ) うじな家庭医療クリニック 院長/家庭医療専門医・がん薬物療法専門医・総合診療指導医
広島市南区宇品で、子どもから高齢者まで地域のかかりつけ医として診療を行っています。

「虫刺されをかきむしっていたら、水ぶくれになって、どんどん広がってきた」——そんなご相談を、夏になるとよくいただきます。これはとびひ(伝染性膿痂疹)と呼ばれる細菌性の皮膚感染症で、湿度の高い夏に乳幼児〜学童で多発します。

「皮膚科に行くべき?小児科で診てもらえる?」と迷われる保護者の方も多いのですが、家庭医療クリニックでも十分に診療可能です。今回は広島市南区・宇品エリアの保護者の方に向けて、とびひの見分け方・治療・登園登校の判断基準を整理します。

とびひとは?2つのタイプを押さえる

とびひは正式には伝染性膿痂疹(でんせんせい のうかしん)といい、原因菌によって2つのタイプに分かれます。

タイプ 原因菌 特徴 好発年齢・季節
水疱性膿痂疹 黄色ブドウ球菌 透明〜濁った水ぶくれ。破れてただれる 乳幼児・夏に多い
痂皮性膿痂疹 A群β溶血性レンサ球菌(溶連菌) 分厚いかさぶた・発赤・痛み。発熱を伴うことも 年齢・季節を問わない

子どものとびひの大半は水疱性で、湿度の高い6〜8月にピークを迎えます。

こんな症状ならとびひを疑う

  • 虫刺され・あせも・湿疹をかいた後にできる透明〜黄色の水ぶくれ
  • 水ぶくれが破れてジュクジュクしたびらんになる
  • かゆみが強い
  • あちこちに「飛び火」のように広がる(だから「とびひ」)
  • 顔(鼻の周り)・手足に多い
  • 痂皮性の場合は分厚いかさぶた・発熱・のどの痛みを伴うこともある

水ぶくれの中の液には大量の細菌が含まれており、触った手で他の場所をかくと一気に広がります。これが「とびひ」の名前の由来です。

家庭でできること(受診前・受診後)

1. かきこわさない・触らない

これが最も重要です。爪を短く切り、爪の間も清潔に。乳幼児は無意識にかくので、ガーゼや包帯で患部を覆うと安心です。

2. 患部を清潔に

シャワーで石けんを泡立てて優しく洗い流すのが基本。湯船には浸からず、シャワーのみにしましょう。タオルでこすらず、押さえるように水分を取ります。

3. タオル・衣類の共用を避ける

家族間でもタオル・寝具・衣類は完全に分けてください。洗濯は他の家族と一緒で構いませんが、患部に触れた衣類は別洗いのほうが安心です。

4. アトピー性皮膚炎・湿疹のコントロール

もともとアトピーや湿疹がある子はとびひになりやすいので、普段からのスキンケア・湿疹治療が予防になります。

クリニックでの治療

診察と検査

多くの場合、視診で診断可能です。重症例や治りにくい場合は、水疱の中身を採取して細菌培養・感受性検査を行うことがあります。

治療の柱は「抗菌薬」と「外用」

  • 抗菌薬の内服:原則5〜7日間。セフェム系などが第一選択
  • 抗菌薬の外用:ナジフロキサシン軟膏など
  • かゆみ対策:必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服
  • 痂皮性(溶連菌)の場合:治療期間がより長く(10日間程度)、急性糸球体腎炎の合併に注意が必要

抗菌薬は症状が良くなっても処方された日数を必ず飲み切ることが大切です。途中でやめると再発・耐性菌の原因になります。

近年の注意:MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)

近年、市中型MRSAによるとびひが増えており、初期治療が効かないケースもあります。2〜3日経っても改善しない・むしろ広がっている場合は早めに再受診してください。培養結果に基づいた抗菌薬の変更が必要なことがあります。

登園・登校はいつから?

とびひは学校保健安全法上の出席停止疾患ではありません。ただし、患部から細菌が広がる感染症なので、扱いに注意が必要です。

登園・登校の目安
  • 患部をガーゼ・包帯で完全に覆える状態
  • 滲出液(ジュクジュク)が落ち着いている
  • 全身状態が良好(発熱・倦怠感がない)

※プール・水泳は完全に治るまで禁止です。

保育園・幼稚園・学校によっては独自のルール(医師の登園許可証が必要など)があることも。事前に園・学校にご確認ください。

こんなときは早めに受診

  • 水ぶくれ・ただれが急速に広がっている
  • 赤みが強く、患部の周りが熱を持っている
  • 発熱がある
  • 顔(特に目の周り)に広がっている
  • 抗菌薬を飲み始めて2〜3日経っても改善しない
  • 新生児・乳児で広範囲のとびひ(重症化リスクが高い)

特に乳児・全身に広がっているケースでは、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)という重症化リスクがあるため、早期受診が重要です。

予防:とびひになりにくい肌づくり

  • 虫刺され・あせも・湿疹を放置しない(かゆみがあれば早めに治療)
  • 爪を短く切る
  • 外遊びの後はシャワーで汗・汚れを洗い流す
  • アトピー性皮膚炎がある子は普段からの保湿・治療を継続
  • 鼻をいじる癖は黄色ブドウ球菌を広げる原因に。気づいたら声かけを

うじな家庭医療クリニックでのとびひ診療

当クリニックは広島市南区宇品東で、家庭医療専門医がお子さまの皮膚トラブル全般に対応しています。「皮膚科に行くべき?小児科でいい?」と迷うレベルこそ、家庭医療クリニックの出番です。

とびひに加え、虫刺され・あせも・水いぼ・湿疹・夏の脱水夏かぜ三兄弟など、夏の小児疾患をワンストップで診療しています。

うじな家庭医療クリニック 〒734-0003 広島県広島市南区宇品東6-2-47
TEL:082-256-4500
診療科目:内科・小児科・がん薬物療法・在宅診療
クリニック公式サイトアクセス・診療時間受診・予約のご案内

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状でご心配がある場合は、医療機関を受診してください。