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5歳以下の救急受診ガイド:救急車を呼ぶべきサイン|広島市南区・宇品|うじな家庭医療クリニック

監修:瀬尾 卓司(せお たくじ) うじな家庭医療クリニック 院長/家庭医療専門医・がん薬物療法専門医・総合診療指導医
広島市南区宇品で、月40〜50件の救急搬送受け入れと200名以上の在宅医療を行う、地域密着のかかりつけ医です。

「夜中に急に熱が上がった」「ぐったりしている」「呼吸がおかしい気がする」——小さなお子さまの体調変化は、保護者の方にとってとても不安なものです。救急車を呼ぶべきか、朝まで待っていいのか、どこに相談すればいいのか。この判断は、医療従事者でも難しいことがあります。

このコラムでは、広島市南区・宇品エリアの保護者の方に向けて、家庭医の視点から「5歳以下の救急受診の判断基準」をまとめました。4つのチェックポイント(呼吸・意識・けいれん・脱水)を覚えておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。

まず知っておきたい3つの相談窓口

救急車(119)を呼ぶ前に、判断に迷ったときに使える3つの窓口があります。

窓口 電話番号 こんなときに
救急車 119 明らかに重症のサインがあるとき(後述)
こども医療電話相談 #8000 夜間・休日に「受診すべきか」迷ったとき。看護師・小児科医に電話で相談できる
救急安心センター #7119 救急車を呼ぶか、自分で受診するか迷ったとき(広島県では一部地域で運用)

「救急車を呼ぶほどではないけれど心配」というレベルで一番頼りになるのが#8000です。広島県では夜間・休日に運用されていますので、番号をスマホに登録しておきましょう。

救急車を呼ぶべき4つのサイン

以下の4つは、お子さまの命にかかわる可能性のあるサインです。1つでも当てはまれば、迷わず119番してください。

サイン①:呼吸がおかしい

こんなときは救急車

  • 呼吸が止まっている、止まりそう
  • 顔色・唇・指先が紫色(チアノーゼ)
  • 肩で大きく息をしている、肋骨や鎖骨の上下がへこむほど苦しそう(陥没呼吸)
  • 「ヒューヒュー」「ゼーゼー」が強く、横になれない
  • 声がかすれて呼吸困難(クループや喉頭蓋炎の可能性)
  • 呼びかけても反応が乏しいほど呼吸に集中している

子どもの呼吸状態は急変しやすく、特に乳児はあっという間に重症化します。「いつもより呼吸が速い・浅い・深い」と感じたら、まず服を脱がせて胸とお腹の動きを観察してください。胸がへこむ呼吸(陥没呼吸)が見られれば、呼吸が苦しい証拠です。

サイン②:意識がおかしい

こんなときは救急車

  • 呼びかけても反応がない、目を合わせない
  • 視線が合わない、ぼーっとして焦点が合わない
  • ぐったりして抱きあげても起き上がれない
  • 普段なら泣くような刺激(採血・大きな音)に反応しない
  • うとうとして起こせない

「いつもの様子と違う」「目に力がない」というのは、保護者の方が一番敏感に気づけるサインです。「なんとなくおかしい」という直感はとても重要で、医療現場でも判断材料になります。元気に泣いて手足を動かしているか、抱っこすると落ち着くか、おもちゃに反応するか——いつもの様子と比べて明らかに違えば受診をご検討ください。

サイン③:けいれん

こんなときは救急車

  • けいれんが5分以上続いている
  • けいれんが治まっても意識が戻らない
  • けいれん後に手足の動きに左右差がある
  • 1日に2回以上けいれんを起こした
  • 初めてのけいれん(経験がなければ判断が難しいので呼んで構いません)
  • 生後6か月未満、または6歳以上のけいれん

けいれん中の対応で大切なこと

  • あわてず、平らで安全な場所に寝かせ、顔を横向きにする(嘔吐による窒息防止)
  • 口の中に指やタオルを入れない(昔の言い伝えですが、舌をかむことはほとんどなく、かえって危険)
  • 体を強く揺すったり、押さえつけたりしない
  • 可能ならけいれんの開始時刻と持続時間、左右差の有無を観察(受診時に大切な情報)
  • スマホで動画を撮影しておくと診断に役立ちます

熱性けいれんの多くは5分以内に自然におさまり、後遺症も残らない良性のものです。ただし、初めてのけいれんは原因の鑑別が必要なので、迷わず救急要請してください。

サイン④:重い脱水

こんなときは救急車・夜間救急へ

  • 半日以上おしっこが出ていない(乳児は6時間以上)
  • 泣いても涙が出ない
  • 唇や舌がカラカラに乾いている
  • 目がくぼんで見える
  • 大泉門(赤ちゃんの頭のやわらかい部分)がへこんでいる
  • 皮膚をつまんで離してもしばらく戻らない
  • 水分を摂ろうとしても全部吐いてしまう状態が半日続く

嘔吐・下痢が続く感染性胃腸炎、夏の熱中症、手足口病やヘルパンギーナでのどの痛みから水分が摂れない——どんな原因でも重い脱水は命にかかわります。経口補水液(OS-1®など)を1回5〜10mLずつ、15分おきに少量ずつ与えてみて、それでも吐いてしまう・受け付けないときは点滴が必要なサインです。

「救急車までではないけど心配」なときの判断軸

上記の4サインに当てはまらないけれど不安、というケースが実は一番多いものです。以下のフローで考えてみてください。

STEP 1:水分は摂れているか?

→ 摂れていない/吐いて受け付けない場合は受診を検討

STEP 2:眠れているか/普段どおり遊べるか?

→ 熱があっても元気に遊べていれば、朝の受診で大丈夫なことが多い

STEP 3:呼吸は落ち着いているか?

→ 呼吸が苦しそうなら早めに受診

STEP 4:保護者の「なんかおかしい」は?

→ 強く感じるなら#8000に電話、または受診を

年齢別:特に注意したいポイント

生後3か月未満

免疫機能が未熟で、見た目が元気でも重症感染症(敗血症・髄膜炎など)の可能性があります。38℃以上の発熱は原則受診と覚えてください。哺乳力低下・元気のなさ・呼吸の異常があれば、夜間でも迷わず救急受診を。

生後3〜6か月

発熱だけで他の症状がなく機嫌が良ければ翌朝の受診でも構わないことが多いですが、哺乳量がいつもの半分以下/おしっこが半日以上出ない/ぐったりのいずれかがあれば受診をご検討ください。

1〜2歳

突然の高熱が多い時期で、熱性けいれんが起こりやすい年齢でもあります。けいれんが初めての場合は受診を。脱水を起こしやすいので、水分摂取の状態を重視してください。

3〜5歳

多くの感染症は自宅で経過観察できる年齢ですが、呼吸の異常(クループ症候群、喘息発作)には引き続き注意が必要です。「ケンケン」という犬が吠えるような咳・声がれ・吸い込むときの「ヒューッ」という音は、夜間でも受診の対象です。

受診時に医師に伝えたい5つの情報

救急受診の場では、限られた時間で適切な判断をするために、以下の情報がとても役立ちます。慌てているときほど、メモを取りながら受診すると安心です。

  1. いつから、どんな症状が出ているか(時系列で)
  2. 体温の推移(何時に何℃だったか)
  3. 飲食・尿・便の回数と量(最後にいつ、どれくらい)
  4. 使った薬・解熱剤の時刻と量
  5. 持病・アレルギー・現在内服中の薬・予防接種歴(母子手帳をご持参ください)

けいれんを起こした場合は、持続時間・左右差・けいれん後の様子を伝えると、てんかんなど他の病気との鑑別に役立ちます。スマホで撮影した動画があれば最高の情報源になります。

うじな家庭医療クリニックの救急対応について

当クリニックは広島市南区宇品で、地域の救急医療を支えるべく月40〜50件の救急搬送受け入れを行っています。家庭医療専門医を中心に、お子さまから高齢者の方まで「家族みんなのかかりつけ医」として日常診療と急性期対応の両方をカバーしています。

「救急車を呼ぶほどではないけれど心配」というご相談こそ、家庭医の出番です。日中に気になる症状があれば、ぜひお早めにご来院・お電話ください。かかりつけ医を持つことは、いざというときの安心につながります。

⚠ 緊急時の連絡先(保存推奨) ・救急車:119
・こども医療電話相談:#8000(夜間・休日の判断に迷ったら)
・救急安心センター:#7119
うじな家庭医療クリニック 〒734-0003 広島県広島市南区宇品東6-2-47
TEL:082-256-4500
診療科目:内科・小児科・がん薬物療法
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状でご心配がある場合は、医療機関を受診してください。