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【広島市南区】がん治療中のサプリメントは相談を|うじな家庭医療クリニック

がん治療中に「少しでも体にいいことを」と、サプリメントや健康食品、いわゆるウェルネス製品を試したくなる方は少なくありません。これはとても自然な気持ちです。ただ、「天然」「自然由来」と書かれた製品でも、がん治療の効き方や副作用に影響することがあります。

2026年8月に医学誌 JAMA Oncology が公開した患者向け解説ページ「Supplements and Wellness Products During Cancer Care」をもとに、がん治療中のサプリメントとの付き合い方を、広島市南区宇品の家庭医・がん薬物療法専門医の立場から整理します。

この記事のポイント

  • 「天然」=「安全」ではない。治療の効果を弱めたり、副作用や出血リスクを高めたりする可能性がある
  • すべてのサプリメントが悪いわけではない。栄養不足や体重減少があるときは医師が勧めることもある
  • 大切なのは「隠さず相談すること」。飲んでいるもののリストや容器を持参するだけで安全性が大きく高まる

がん治療中にサプリメントを考える方はとても多い

元気を取り戻したい、免疫を支えたい、副作用を軽くしたい、あるいは「自分でできることをしていたい」――。がん治療中にサプリメントや健康食品を手に取る理由はさまざまです。ハーブのサプリメント、デトックスをうたう製品、高用量ビタミンの点滴、ネットで「免疫サポート」「自然派」として売られている製品などが含まれます。

国立がん研究センターの調査でも、がん患者さんの約2人に1人が何らかの健康食品やサプリメントを利用していると報告されており、決して珍しいことではありません。JAMA Oncology の解説でも、「こうした製品について質問するのは、ごく当たり前で、もっともなことだ」と述べられています。

「天然」が「安全」を意味しない理由

サプリメントや健康食品の多くは「天然」「自然」を前面に出して販売されています。しかし、穏やかで無害に見える製品でも、体の働きを変えてしまうことがあります。がん治療中に特に注意したい影響として、次の4つが挙げられています。

起こりうる影響 どういうことか
がん治療の効果が弱まる 薬の吸収や作用を妨げ、本来の効果が得られなくなる可能性
肝臓・腎臓での薬の処理が変わる 薬が体内で分解・排泄されるスピードが変わり、効きすぎたり効かなくなったりする
手術・処置での出血リスク上昇 血液をサラサラにする作用のある成分は、手術や生検のときに出血しやすくなる
副作用が強く出る 治療薬と組み合わさることで、吐き気・肝機能障害などの副作用が増強される

代表的な例として挙げられているのが、気分の落ち込みに使われることのあるハーブ「セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)」です。肝臓で薬を分解する酵素の働きを強めるため、一部の抗がん剤(分子標的薬など)の血中濃度を下げ、効果を弱めてしまうことが知られています。「ハーブだから」と安心して飲み続けると、知らないうちに治療の足を引っ張っている、ということが起こりえます。

補足:影響の出方は、がんの種類、受けている治療、併用している薬、肝臓・腎臓の機能によって一人ひとり異なります。「このサプリは大丈夫/ダメ」と一律には言えないため、個別の確認が必要です。

すべてのサプリメントが悪いわけではありません

誤解しないでいただきたいのは、「サプリメントは全部やめるべき」という話ではないということです。ビタミン不足や栄養状態の悪化、体重減少がある場合には、治療チームの側からビタミン剤や栄養補助食品を勧めることもあります。

問われているのは「その製品が、あなたの治療計画にとって安全で適切かどうか」という一点です。治療中の食事や栄養については、がん治療中の食事と栄養のコラムもあわせてご覧ください。

なぜ「安全かどうか」が分かりにくいのか

ネットやSNSでは「免疫を高める」「デトックス」「抗炎症」といった言葉で多くの製品が宣伝されています。しかし、こうした主張の多くは科学的根拠が限られており、がん治療を受けている人で慎重に検証された製品はごくわずかです。

処方薬と違い、サプリメントは販売前に有効性を証明する必要がありません。そのため、次のような問題が起こりえます。

  • ブランドによって品質や成分量にばらつきがある
  • 表示と異なる量の成分が含まれている
  • 1つの製品に複数の成分が混ざっていて、何が入っているか分かりにくい
  • がん治療薬と相互作用する成分が含まれている
  • 「がんに効く」「がんを防ぐ」といった根拠のない表示がある

患者さんからよく質問がある製品として、JAMA Oncology はマルチビタミン、ハーブサプリ、キノコ製品、高用量ビタミンC点滴、デトックスプログラム、プロテインパウダー、CBD(カンナビジオール)製品、ネット販売の「免疫サポート」製品などを挙げています。状況によっては妥当なものもあれば、リスクが大きいものもあり、安全性は個別の条件次第です。

サプリメントを始める前に、確認したい5つの質問

新しいサプリメントやウェルネス製品を試す前に、次の5つを主治医やかかりつけ医に聞いてみてください。

  1. この製品には、正確には何が入っていますか?
  2. 何を良くするための製品ですか?
  3. がんの人や、治療に伴う症状に効くという根拠はありますか?
  4. 私のがん治療や飲んでいる薬の邪魔になる可能性はありますか?
  5. 私が困っている症状に対して、もっと安全で効果的な方法はありますか?

特に5番目の質問は重要です。だるさ、吐き気、食欲不振、不眠、気分の落ち込みといった症状には、保険診療の中で使える、根拠のある対処法が用意されていることが多いからです。副作用への対処については、抗がん剤の副作用とその対策のコラムで詳しく解説しています。

受診のときにできる、4つのこと

治療チームと一緒に安全を確かめるために、患者さん側でできることは意外とシンプルです。

1 リストを最新にしておく
処方薬、市販薬、ビタミン剤、サプリメント、健康食品をすべて書き出す。お薬手帳に「サプリメント欄」を作るのもおすすめです
2 容器やラベルの写真を持参する
成分表示を医師や薬剤師が直接確認できると、相互作用のチェックが正確になります
3 「何を良くしたいのか」を伝える
目的が分かれば、より安全な代わりの方法を一緒に探せます
4 始める前に相談する
「怒られるかも」と心配して黙ってしまう方がいますが、相談されて困る医師はいません。始めた後より、始める前の方がずっと簡単です

かかりつけ医だからこそ確認しやすいこと

がん治療を受けている病院の外来は限られた時間で進むことが多く、「サプリのことまで聞きづらい」と感じる方もいらっしゃいます。うじな家庭医療クリニックでは、がん薬物療法専門医でもある院長が、抗がん剤治療中の患者さんの体調管理や副作用対応を、病院の治療チームと連携しながら行っています。

「これ飲んでも大丈夫?」という相談は、まさにかかりつけ医の出番です。持病の薬とがん治療薬、そしてサプリメントを一緒に眺めて整理することは、家庭医の得意分野でもあります。がん治療中のかかりつけ医の役割については、こちらのコラムもご参照ください。

まとめ

  • がん治療中にサプリメントや健康食品を考えるのは自然なこと。質問することは当たり前です
  • 「天然」でも、治療の効果や副作用に影響する可能性があります
  • すべてのサプリが悪いわけではなく、必要なときは医師が勧めることもあります
  • 飲んでいるもののリストと容器を持参し、始める前に相談することが最も確実な安全策です

参考文献・参考サイト
・Wang K, Singhi D, Singhi EK. Supplements and Wellness Products During Cancer Care. JAMA Oncol. Published online August 27, 2026. doi:10.1001/jamaoncol.2026.2724
・国立がん研究センター がん情報サービス「がんと民間療法(健康食品・サプリメント・食事療法を中心に)」 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/cam/health_food_products.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。サプリメントの影響は、がんの種類・治療内容・併用薬・肝腎機能などにより個人差があります。具体的なご判断は主治医またはかかりつけ医にご相談ください。

がん治療中の「これ飲んでも大丈夫?」、ご相談ください

うじな家庭医療クリニック(広島市南区宇品東6-2-47)では、がん薬物療法専門医・家庭医療専門医の院長が、がん治療中の体調管理や薬・サプリメントの整理についてご相談をお受けしています。サプリメントの容器や写真をお持ちいただければ、その場で一緒に確認します。
関連する受診は、まずは院長外来へお越しください。

院長診察日:火曜午前・水曜・木曜午後・金曜・土曜

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お電話でのご予約・ご相談:082-256-4500

監修:瀬尾卓司(がん薬物療法専門医・家庭医療専門医・総合診療指導医)

うじな家庭医療クリニック院長。沖縄県立中部病院、亀田総合病院、国立がん研究センター、国立国際医療研究センターで研修を経て広島へ。家庭医療専門医・がん薬物療法専門医・総合診療指導医・日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医。内科・小児科・がん薬物療法・在宅診療を通じて、がん治療中の患者さんを地域で支える「オンコジェネラリスト」の実践に取り組んでいる。
〒734-0003 広島県広島市南区宇品東6-2-47/TEL:082-256-4500