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遺伝性がん症候群について

がんのすべての原因が遺伝的に特定されているわけではありませんが、親から子へ受け継がれる遺伝子の変異(突然変異)の中には、がんの発症リスクを高めるものが知られています。このような遺伝的変異によって発症リスクが高まる疾患を「遺伝性がん症候群」と呼びます。


主な遺伝性がん症候群

🔹 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)

関連遺伝子:BRCA1、BRCA2

  • 乳がんや卵巣がんの発症リスクが高い
  • 男性では乳がんや前立腺がんのリスク増加
  • 家族内に膵がんや黒色腫(メラノーマ)の発症率も高い

🔹 カウデン症候群(Cowden Syndrome)

関連遺伝子:PTEN

  • 皮膚や粘膜に良性の腫瘍(ハマルトーマ)が多発
  • 乳がん、子宮がん、甲状腺がんのリスク増加

🔹 リンチ症候群(HNPCC)

関連遺伝子:MLH1、MSH2、MSH6、PMS2

  • 若年発症の大腸がんや子宮内膜がん(子宮体がん)が多い
  • その他、胃がん、卵巣がん、小腸がん、腎盂がんのリスク増加
  • ミュア・トーレ症候群では皮膚腫瘍のリスクも高い

🔹 遺伝性白血病および血液悪性腫瘍症候群

  • 約12種類の遺伝的疾患が白血病や血液疾患の原因となる
  • 白血病患者の5〜10%は遺伝的要因によると推定
  • 遺伝子検査で治療計画の参考になる可能性あり

🔹 家族性大腸腺腫症(FAP)

関連遺伝子:APC

  • 大腸や直腸に多数の前がん病変(ポリープ)が発生
  • ガードナー症候群では骨腫やデスモイド腫瘍も発生

🔹 リ・フラウメニ症候群(LFS)

関連遺伝子:TP53

  • 乳がん、白血病、脳腫瘍、副腎皮質がんなどのリスク増加
  • 幼少期から複数のがんを発症する可能性

🔹 フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病)

関連遺伝子:VHL

  • 血管の異常増殖(血管芽腫・血管腫)が発生
  • 腎がんのリスクが特に高い

🔹 多発性内分泌腫瘍症(MEN)

  • MEN1型:下垂体、上皮小体、膵臓の腫瘍が特徴
  • MEN2型:髄様甲状腺がんのリスク増加

🔍 まとめ

遺伝性がん症候群は、特定の遺伝子変異によってがんの発症リスクが高まる疾患群です。

💡 家族にがんの患者が多い場合、遺伝子検査を受けることで早期発見・予防につながる可能性があります。

📌 うじな家庭医療クリニック腫瘍内科外来では、がんの遺伝的リスクについての相談を受け付けております。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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