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膵がんを対象とした「新規PET診断薬」の治験情報のご紹介(64Cu-NCAB001)

注)この治験は治療ではなく診断のための治験となります。

うじな家庭医療クリニックでは、患者さんとご家族が治療や検査の選択肢を検討できるよう、国内で公表されている治験・臨床試験情報も随時ご紹介しています。今回は膵がんの早期診断・治療方針決定への応用が期待される新しいPET診断薬(64Cu-NCAB001)の治験をご紹介します。詳細はオンコロの治験ページをご参照ください。がん情報サイト「オンコロ」

どんな治験?

  • 対象:膵がんが強く疑われ、遠隔転移がないと評価された方など(18〜80歳 ほか主条件あり)

  • 内容64Cu-NCAB001(抗EGFR抗体NCAB001に銅-64を標識したPET用放射性薬剤)を投与し、安全性等を評価します(投与量は3段階のいずれか)。がん情報サイト「オンコロ」

  • 実施医療機関(例):国立がん研究センター中央病院(東京)、神奈川県立がんセンター(横浜)※承認状況・募集状況により変更の可能性あり。がん情報サイト「オンコロ」

期待されるポイント

前臨床段階では、従来のFDG-PETでは見つけにくい3mm〜1cm程度の微小膵がんをより明瞭に描出しうる可能性が示されています。早期診断や手術・治療方針の決定に役立つことが期待されます(現時点では有効性・有用性は検証段階です)。がん情報サイト「オンコロ」

主な参加条件(抜粋)

  • 造影CTで膵がんの典型像があり、遠隔転移なし(周囲リンパ節転移は可の場合あり)

  • 超音波内視鏡下の細胞診・組織診を予定

  • 18〜80歳、日常生活が自立

  • 膵・消化器がんの手術・抗がん剤・放射線治療歴がない など
    ※間質性肺炎既往、コントロール不良の糖尿病、重篤な心疾患・肝障害、妊娠中などは参加が難しい場合があります。最終的な適格性は治験実施医療機関での診察・検査で決まります。がん情報サイト「オンコロ」

費用について(公表情報より)

  • 治験薬は無償提供

  • 血液・尿・画像検査や診察などの「通常診療分」には保険自己負担が発生します。

  • 負担軽減費(交通費・謝礼など)は支払われないとされています。がん情報サイト「オンコロ」

申込フロー

まずは現在の主治医に、医療従事者向けページの確認を依頼する形が推奨されています(紹介の流れが定められています)。がん情報サイト「オンコロ」


当院でお手伝いできること(広島・宇品エリアのかかりつけとして)

  • 公開情報にもとづく治験内容のご説明適応可能性の初期整理

  • 画像・採血結果や治療歴の持ち物チェック

  • 必要に応じて紹介状(診療情報提供書)作成実施医療機関への問い合わせのサポート

  • 今後の治療全体像の中で参加のメリット/デメリットを**共有意思決定(Shared Decision Making)**で一緒に検討

重要な注意:当院は本治験の実施施設ではありません。募集状況・条件・費用等は変更される場合があります。最新情報は公式の治験ページおよび実施医療機関でご確認ください。がん情報サイト「オンコロ」

ご相談方法

  • 外来・お電話で「治験の相談希望」とお伝えください。

  • 可能であれば直近の造影CT報告書・腫瘍マーカー(CA19-9)・治療歴をご持参ください。