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認知症リスクの約45%は予防可能です
近年、認知症は「予防できる病気」として注目されています。
2024年7月に発表された報告によると、認知症リスクの約45%は、14の“修正可能なリスク因子”を改善することで予防・遅延が可能とされています。
今回は、その14のリスク因子と予防のポイントをご紹介します。
2024年版 認知症リスク因子
🌱【若年期(Early life)】
教育の充実度(5%)
→ 成人するまで継続した教育を受け続ける事は認知症リスクを低下させることが分かっています。
🌞【中年期(Midlife)】
難聴(7%)
高LDLコレステロール値(2024年新追加)(3%)
うつ病(3%)
頭部外傷(2%)
身体不活動(1%)
糖尿病(2%)
高血圧(2%)
肥満(1%)
過度な飲酒(1%)
中年期は予防にもっとも重要な時期です。特に難聴の早期発見・補聴器使用、高脂血症の治療は高い効果が期待されます。
🌙【高齢期(Late life)】
社会的孤立(5%)
大気汚染(PM2.5など)による体調不良(3%)
視力障害(2024年新追加)(2%)
新たに加わった視力障害は、白内障や未矯正の視力低下を含みます。眼科的な定期検診と眼鏡・手術による視力矯正が重要です。
🧠なぜ今、認知症予防が必要なのか?
日本は世界でも有数の高齢社会。認知症の発症者数も年々増加しています。
しかし、生活習慣や健康管理、社会とのつながりを意識することで予防可能なリスクは多数存在します。
特に以下のような方には予防介入が推奨されます。
✅ 40代以上で高血圧や糖尿病がある
✅ 難聴を指摘されたことがあるが、補聴器を使っていない
✅ 退職後、運動量や人との会話が減った
✅ 眼科検診を長らく受けていない
🏥当院でできる認知症予防サポート
うじな家庭医療クリニックでは、以下のような認知症予防サポートを行っています。
生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の定期管理
難聴のスクリーニングと補聴器使用のアドバイス
認知機能スクリーニング検査(MMSE、MoCA)
社会的孤立を防ぐサポート(介護・福祉との連携)
眼科受診・白内障手術後の眼科との連携
🌟まとめ:認知症は「防げる」時代に
2024年の最新研究によって、認知症のリスク因子は「14項目」に増加しました。
その多くは日常生活の改善によってコントロール可能です。
当院では、地域の皆さまが長く健康に暮らせるよう、予防医療に力を入れています。
ご自身やご家族の健康に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
🔗参考文献
Livingston G, Huntley J, Liu KY, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. The Lancet. 2024; Published online July 31. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01296-0:contentReference[oaicite:1]{index=1}