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帯状疱疹ワクチン完全ガイド|予防接種の基礎知識と選び方

広島市で帯状疱疹ワクチン接種をお考えの方へ

うじな家庭医療クリニックでは、帯状疱疹ワクチンの接種を行っています。広島市の定期接種制度の期限が残り半年を切りました。この機会に、帯状疱疹とワクチンについて正しい知識を身につけ、ご自身の健康を守りましょう。

帯状疱疹とは?基礎知識を解説

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発症する病気です。子どもの頃に水ぼうそうにかかった方の体内に潜んでいたウイルスが、加齢やストレス、免疫力の低下によって再活性化することで発症します。

主な症状

  • 体の片側に帯状に広がる赤い発疹と水ぶくれ
  • 強い痛みやピリピリとした感覚
  • 発熱や倦怠感

50歳以上の方では、約3人に1人が一生のうちに帯状疱疹を発症すると言われています。

①帯状疱疹の感染経路

帯状疱疹は、新たに外部から感染する病気ではありません。体内に潜んでいたウイルスが再活性化することで発症します。

水ぼうそうとの関係

  • 初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると「水ぼうそう」を発症
  • 水ぼうそうが治った後も、ウイルスは神経節に潜伏
  • 免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し「帯状疱疹」を発症

他の人への感染リスク

帯状疱疹の患者さんから他の人へ直接「帯状疱疹」が感染することはありません。ただし、水ぼうそうにかかったことがない人(特に乳幼児)が帯状疱疹の水ぶくれに直接触れると、水ぼうそうとして発症する可能性があります。

②帯状疱疹の発症リスクが高い方

以下のような状況の方は、帯状疱疹を発症しやすくなります。

年齢によるリスク

  • 50歳以上:発症率が急激に上昇
  • 60歳代:発症のピーク年齢
  • 80歳まで:約3人に1人が発症

その他のリスク要因

  • 強いストレスや過労
  • 睡眠不足や不規則な生活
  • 糖尿病などの慢性疾患
  • がん治療中や免疫抑制剤使用中
  • 高齢による免疫力の自然な低下

③家族が帯状疱疹に罹患したときの感染対策

ご家族が帯状疱疹を発症した場合、適切な対策を取ることが大切です。

基本的な感染対策

  1. 水ぶくれへの直接接触を避ける:発疹部分に触れないようにしましょう
  2. 患部を清潔に保つ:ガーゼなどで覆い、衣服で保護します
  3. タオルや衣類の共有を避ける:洗濯は通常通りで問題ありません
  4. 手洗いの徹底:患部や衣類に触れた後は必ず手を洗いましょう

特に注意が必要な方

以下の方は、帯状疱疹患者との接触を極力避けてください。

  • 水ぼうそうにかかったことがない乳幼児
  • 妊娠中の方(特に水ぼうそう未罹患の場合)
  • 免疫力が低下している方

かさぶたになったら

水ぶくれがかさぶたになれば、感染性はほとんどなくなります。通常の生活に戻って問題ありません。

④帯状疱疹発症後のワクチン接種について

結論:発症後もワクチン接種は推奨されます

帯状疱疹は繰り返し発症する可能性があります。一度発症した方でも、再発予防のためにワクチン接種が推奨されています。

接種のタイミング

  • 帯状疱疹が完全に治癒してから接種可能
  • 一般的には、治癒後すぐに接種できます
  • 担当医と相談の上、適切な時期を決定しましょう

再発予防の重要性

帯状疱疹の再発率は約5〜10%と言われています。特に高齢の方や免疫力が低下している方は再発リスクが高いため、ワクチン接種による予防が大切です。

⑤シングリックスと生ワクチンの違い

広島市の定期接種では、2種類のワクチンから選択できます。それぞれの特徴を理解して、ご自身に合ったワクチンを選びましょう。

シングリックス(不活化ワクチン)

メリット

  • 予防効果が非常に高い(50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%)
  • 効果の持続期間が長い(9年以上確認されている)
  • 免疫力が低下している方でも接種可能
  • 帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防効果も高い

デメリット

  • 2回接種が必要(2ヶ月間隔)
  • 接種部位の痛みや腫れなどの副反応が比較的多い
  • 費用が高額(1回あたり約25,320円、2回で約50,640円)
  • 広島市の助成を利用しても自己負担が大きい(1回あたり約18,000円)

こんな方におすすめ

  • より確実な予防効果を求める方
  • 長期的な予防を希望する方
  • 帯状疱疹後神経痛のリスクを最小限にしたい方
  • 免疫抑制状態にある方

生ワクチン(弱毒化生ワクチン)

メリット

  • 1回の接種で完了
  • 副反応が比較的少ない
  • 費用が安い(1回約8,000円)
  • 広島市の助成で自己負担がさらに軽減

デメリット

  • 予防効果はシングリックスより低い(約50〜60%)
  • 効果の持続期間が短い(5年程度)
  • 免疫抑制状態の方は接種できない
  • 妊娠中は接種不可

こんな方におすすめ

  • 費用を抑えたい方
  • 注射の回数を少なくしたい方
  • 副反応を最小限にしたい方
  • 健康で免疫機能に問題のない方

広島市の帯状疱疹ワクチン定期接種について

広島市では、対象年齢の方に帯状疱疹ワクチンの費用助成を行っています。

令和7年度の定期接種対象者
接種時に広島市内に住民登録があり、次の(1)(2)いずれかに該当する方
(1)令和7年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳、101歳以上になる方
対象年齢生年月日
65歳昭和35年4月2日 ~ 昭和36年4月1日生まれ
70歳昭和30年4月2日 ~ 昭和31年4月1日生まれ
75歳昭和25年4月2日 ~ 昭和26年4月1日生まれ
80歳昭和20年4月2日 ~ 昭和21年4月1日生まれ
85歳昭和15年4月2日 ~ 昭和16年4月1日生まれ
90歳昭和10年4月2日 ~ 昭和11年4月1日生まれ
95歳昭和5年4月2日 ~ 昭和6年4月1日生まれ
100歳大正14年4月2日 ~ 大正15年4月1日生まれ
101歳以上大正14年4月1日以前生まれ
令和7年度から令和11年度までは、当該年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方を対象者とし、令和7年度に限り101歳以上になる方も対象者とします。
令和12年度以降は、接種時に65歳の方が対象者となる予定です。
(2)60~64歳の方で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害を有し、
その障害が身体障害者手帳1級相当である方
接種の際、予防接種該当者確認書又は身体障害者手帳が必要です。

 

対象者

  • 広島市に住民登録がある方
  • 接種日時点で対象年齢に該当する方

助成の詳細や期限については、広島市の公式ウェブサイトまたは当クリニックまでお問い合わせください。制度の期限が残り半年を切っているため、お早めの接種をおすすめします。

うじな家庭医療クリニックでの接種

当クリニックでは、患者さん一人ひとりの健康状態やライフスタイルに合わせて、最適なワクチンをご提案いたします。

接種の流れ

  1. 事前予約:お電話またはウェブでご予約ください
  2. 診察・相談:医師が健康状態を確認し、ワクチンを選択
  3. 接種:当日接種可能です
  4. 経過観察:接種後15〜30分程度、院内で経過を観察

よくあるご質問

Q: どちらのワクチンを選べばよいですか? A: 患者さんの年齢、健康状態、予算、予防効果の希望度によって異なります。診察時に医師が詳しくご説明し、一緒に選択しましょう。

Q: 副反応はありますか? A: どちらのワクチンも接種部位の痛み、腫れ、発赤などが起こることがあります。シングリックスの方が副反応の頻度が高めですが、数日で軽快することがほとんどです。

Q: 他の予防接種と同時に受けられますか? A: 他のワクチンとの同時接種や間隔については、医師にご相談ください。

まとめ:今すぐ帯状疱疹ワクチン接種を検討しましょう

帯状疱疹は、誰もが発症する可能性のある病気です。特に50歳以上の方は、ワクチン接種による予防が強く推奨されています。広島市の定期接種制度を利用できる期限が迫っていますので、この機会にぜひ接種をご検討ください。

うじな家庭医療クリニックでは、広島市宇品地区の皆さまの健康を守るため、帯状疱疹ワクチン接種を積極的に行っています。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


うじな家庭医療クリニック 広島市南区宇品で地域の皆さまの健康をサポートします

📞 予約・お問い合わせ:082-256-4500 📍 所在地:広島市南区宇品東6-2-47 🕐 診療時間:月~土 9:00~17:30