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富士山登山や海外の高地への旅行を計画している方から、
「高山病が心配」「予防の薬は必要ですか?」
というご相談をよくいただきます。
今回は、高山病の基本と、予防・治療に使われるダイアモックスについて分かりやすく解説します。
高山病とは?
高山病(急性高山病)は、急に標高の高い場所へ移動した際に起こる体調不良です。
一般に 標高2,500m以上 で起こりやすいとされています。
主な症状
頭痛
吐き気・嘔吐
めまい
強い眠気・倦怠感
食欲不振
軽症であれば自然に改善することもありますが、無理をすると悪化することがあります。
富士山でも高山病は起こります
富士山の山頂は 3,776m。
五合目(約2,300m)から一気に高度を上げるため、初心者でも高山病を起こす可能性があります。
特に以下の場合は注意が必要です。
五合目まで車で一気に上がる
弾丸登山(日帰り・夜行)
過去に高山病になったことがある
睡眠不足や脱水がある
ダイアモックスとは?
ダイアモックス(アセタゾラミド)は、
高山病の 予防・症状軽減 に使われる薬です。
期待できる効果
呼吸を促し、体を高度に順応させやすくする
頭痛や吐き気などの症状を軽減する
※高山病を完全に防ぐ薬ではありません。
ダイアモックス使用時の大切な注意点
薬を飲んでいても無理な登山は禁物
症状が出た場合は下山が最優先
利尿作用があるため、水分を十分に摂取してください
手足や口周りのしびれ、頻尿が出ることがあります
体調に異変を感じた場合は、服用を中止し医療機関にご相談ください。
ダイアモックスはこんな方に向いています
弾丸登山や短期間で高度を上げる予定の方
過去に高山病の経験がある方
海外の高地(ヒマラヤ、アンデスなど)へ行く予定の方
一方、ゆっくりした行程・山小屋泊の場合は、必ずしも必要ないこともあります。
当院でのダイアモックスの取り扱いについて
当院では、
ダイアモックスを 1錠あたり25円(税込)で処方しています。
登山計画や旅行日程、過去の高山病の有無などを伺ったうえで、
必要性や内服方法を個別にご説明しています。
まとめ
高山病は誰にでも起こり得る
富士山でも高山病対策は重要
ダイアモックスは予防・症状軽減に役立つが万能ではない
無理をしない行程と体調管理が最も大切
高山への登山や旅行を安心して楽しむために、
不安な点があれば早めにご相談ください。