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乳がんの治療は、患者さんの生命を救う重要なものですが、一方で健康への影響も考慮する必要があります。特に、ホルモン療法を受けた乳がん生存者において、糖尿病のリスクが高まる可能性があることが最新の研究で明らかになっています。
ホルモン療法と糖尿病の関係
2002年から2012年にかけて、2,246名の乳がん生存者を対象とした研究では、平均5.9年間の追跡調査の結果、324名が糖尿病を発症したことが確認されました。この研究では、ホルモン療法を受けた患者さんは、そうでない患者さんに比べて糖尿病を発症するリスクが約2.4倍に増加していたことが分かりました。
さらに、使用する薬剤によってリスクの差も見られました。
- タモキシフェンを使用した場合:糖尿病のリスクが2.25倍に上昇
- アロマターゼ阻害剤を使用した場合:糖尿病のリスクが4.27倍に上昇
これらの結果から、ホルモン療法が糖尿病リスクの増加と関連していることが示唆されます。
ホルモン療法は中止すべき?
ホルモン療法は乳がんの再発を防ぎ、生存率を向上させる重要な治療法です。そのため、糖尿病のリスクがあるからといって治療を中止することは推奨されません。 しかし、治療を継続しながらも、糖尿病を予防するための対策を講じることが大切です。
糖尿病予防のためにできること
ホルモン療法を受けながら糖尿病のリスクを抑えるためには、以下のような生活習慣の改善が有効です。
✅ バランスの取れた食事
糖質や脂質の摂りすぎに注意し、野菜や食物繊維を多く含む食事を心がけましょう。
✅ 適度な運動
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を習慣化することで、血糖値のコントロールに役立ちます。
✅ 定期的な健康チェック
血糖値の変化を早期に察知するため、定期的な健康診断を受けることが重要です。
✅ ストレス管理
ストレスは血糖値にも影響を与えるため、リラックスする時間を持ち、心身のケアを大切にしましょう。
まとめ
乳がんのホルモン療法は、治療の効果が大きいため、中止することは推奨されません。しかし、糖尿病のリスクを理解し、予防策を講じることが重要です。食事や運動などの生活習慣を見直し、健康管理をしながら治療を継続することで、より良い生活を送ることができるでしょう。
当クリニックでは、乳がん治療後の健康管理についてもサポートしております。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。