医療コラム

  1. HOME
  2. 医療コラム
 

COLUMN医療コラム

アトピー性皮膚炎の治療アップデート(うじな家庭医療クリニック ver. 2025)🧴🫧

まずはここだけ!要点3つ📝

  1. 保湿+外用ステロイドが基本。ステロイドは1日1回でも多くの方で十分🆗

  2. 顔まわり・デリケート部位やステロイドで不十分なら非ステロイド外用(タクロリムス軟膏・PDE4阻害薬・外用JAK・AHR作動薬など)を併用🧑‍⚕️

  3. 重症・難治では生物学的製剤(注射)を第一選択、経口JAK阻害薬は安全性を見ながら第二選択に📉


どんな病気?🧐

強いかゆみ乾燥赤い発疹が特徴。肘や膝の内側など“曲がるところ”に出やすいですが、体のどこにでも出ます。皮膚のバリア機能の低下炎症が原因の中心です。


ケアの土台は「保湿」+「外用」🧴

  • 保湿:ローション・クリーム・ゲル・軟膏、どれでもOK。今のエビデンスでは決定版の成分は未確定

  • 外用ステロイド:効果は確か。1日1回の塗布でも2回以上と同等の効果という解析もあります🙆

  • 非ステロイド外用

    • タクロリムス軟膏(プロトピック)/ピメクロリムス(エリデル)

    • PDE4阻害薬:クリサボロール(Eucrisa)、ロフルミラスト(Zoryve)

    • 外用JAK:ルキソリチニブ(Opzelura)

    • AHR作動薬:タピナロフ(Vtama)
      ※比較試験は限られますが、ルキソリチニブ外用は高力価ステロイドに近い効果の報告も💡


重症・難治の方へ:全身療法の選択肢💉💊

当院では、症状の範囲・かゆみの強さ・生活背景(学校や仕事、妊娠希望など)を踏まえて共同意思決定を行います🤝

全身療法の比較(ブランド名つき・要点)📊

薬剤(一般名)/ 製品名作用機序投与効果の目安*ひとことメモ
デュピルマブ(デュピクセント) DupilumabIL-4Rα阻害(IL-4/13経路)初回600mg→300mgを2週毎皮下注EASI変化MD −10.5小児にも適応あり。総合力が高く第一選択になりやすい💡
トラロキヌマブ(アドトラルザ) TralokinumabIL-13阻害初回600mg→300mgを2週毎皮下注MD −6.2デュピルマブよりやや劣る解析結果
レブリキズマブ(イブグリース) LebrikizumabIL-13阻害初回500mg→250mgを2週毎(16週まで)4週毎MD −8.5デュピルマブと同等レベルの報告👍
ネモリズマブ NemolizumabIL-31阻害(かゆみ経路)初回60mg→30mgを4週毎皮下注MD −4.4EASIの改善は控えめだがかゆみの改善は良好
ウパダシチニブ(リンヴォック) UpadacitinibJAK1阻害15mg or 30mg 1日1回内服MD −11(15mg)/ −13.5(30mg)反応が速い⚡ ただし安全性に配慮(重感染・血栓など)
アブロシチニブ(シビンコ) AbrocitinibJAK1阻害100mg or 200mg 1日1回内服MD −8.5(100mg)/ −12.8(200mg)多くは100mg開始→必要時増量⬆

* EASI変化のMD:プラセボとの差(マイナスほど改善)。16週前後のネットワークメタ解析を要約。

JAK経口薬の注意🔎:重い感染、血栓、心血管イベント、悪性腫瘍などのリスクに留意。第一選択ではなく第二選択と位置づけます。ワクチン計画や血液検査など定期モニタリングが必須。


当院のサポート💁‍♀️

  • 塗り方レクチャー(入浴後5分以内の“保湿→薬”の順番がコツ🛁)

  • 生活・学校・仕事との両立を含めたプラン作成📅

  • 注射 or 内服の選び方を一緒に整理、副作用の早期相談窓口📞

この記事は一般向けの解説です。承認状況・適応・用法用量は国や時期で異なることがあります。最新の添付文書と保険適用は受診時に一緒に確認しましょう😊