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がん予防・診断・治療中・治療後まで一貫して支える「がんサバイバー外来」―広島市南区・うじな家庭医療クリニック

はじめに:がん医療は“治療中だけ”ではありません

がんは、日本人の2人に1人が経験すると言われています。
しかし患者さんが向き合う不安は、治療中だけではありません。

  • 予防段階の不安

  • 検査で異常を指摘された時の戸惑い

  • 抗がん剤や放射線治療中の副作用

  • 治療後の再発への恐怖

  • 社会復帰や生活の悩み

  • 通院が難しくなったタイミングでの在宅診療の必要性

がん医療は、人生の中で「長い時間」を占めます。
だからこそ、患者さんにとって どのステージでも相談できる場所 が必要です。

うじな家庭医療クリニックでは、がん治療の前後に限らず、
予防 → 診断 → 治療中 → 治療後 → 長期フォロー → 在宅医療
まで一貫してサポートできる体制を整えています。


1. がん予防・診断のサポート

■ 遺伝子リスク(家族歴)が気になる方へ

「家族にがんが多いけど、自分も調べた方がいい?」
「遺伝子検査はどんな人が受けるもの?」

こうした相談が増えています。
当院では 家族歴・既往歴・リスク因子をもとに、遺伝子検査の必要性を判断 し、
必要な場合には適切な検査をご案内します。

■ 人間ドックで異常を指摘された方

精密検査は何を受けるべきか、どの科に行けばいいか、
迷ったときはまずご相談ください。

■ ワクチンや感染症対策

抗がん剤・免疫療法が始まる前後では、
帯状疱疹ワクチンや肺炎球菌ワクチンが重要です。
タイミングや適応も丁寧にご説明します。


2. がん治療中の「かかりつけ医」として

■ 副作用対策(吐き気・発熱・皮膚症状・便秘など)

治療中に多い以下のような相談に日々対応してきました。

  • 吐き気がつらい

  • 発熱した時にすぐ相談できる医師がほしい

  • 皮膚のトラブルや手足症候群

  • 口内炎、便秘、下痢などの調整

  • 点滴による支持療法を受けたい

がん治療に詳しいかかりつけ医がいることで、治療の継続性と生活の質が向上します。

■ セカンドオピニオン・治療選択の相談

「今の治療でいいのか不安…」
「高濃度ビタミンCや免疫療法ってどう?」
「臨床試験の選択肢を知りたい」

患者さんの希望に合わせて、医学的に正しい情報提供を行います。


3. 治療後(サバイバーシップ)のフォローアップ

治療後に最も多い悩みは 「再発が怖い」 という気持ち。
また、抗がん剤や放射線治療の晩期合併症も見逃せません。

■ 再発チェック

採血・画像検査のタイミングなども含め、
患者さんに合ったフォローアップを提案します。

■ ctDNA検査(Guardant Reveal など)

欧米で臨床試験が進んでいる技術で、
大腸がん・肺がん・乳がんなどの術後に
血液中にがん細胞が残っていないかを調べる検査 です。

日本ではまだ自費診療の段階ですが、今後普及が期待されており、
当院でも相談を受け付けています。

■ 生活習慣病の管理

治療後に血圧・血糖・コレステロールが乱れやすくなることもあります。
がん専門の視点で薬の影響も考慮しながら治療していきます。


4. 在宅医療でのがんケア

■ 「通院が難しくなった時」に選べる安心

終末期が近づくと、病院への通院が困難になります。
しかし専門的ながんケアは、在宅でも十分可能です。

  • 痛みのコントロール

  • 吐き気、呼吸苦の緩和

  • 医療用麻薬の調整

  • 最期まで寄り添うケア

当院では Hospital-at-Home 構想にも力を入れており、
外来から在宅へスムーズに移行できる仕組みを整えています。


5. 遠方からのご相談にも対応(オンライン診療)

これまでに 宮城県・東京・大阪・沖縄 など全国からお問い合わせをいただいています。
専門的ながん相談をオンラインで受けられるため、遠方の方でも安心です。


まとめ:あなたのがん医療の「伴走者」でありたい

がんは、人生の中でとても大きな出来事です。
だからこそ、治療の前後だけでなく、
“どの段階でも” 寄り添える存在でありたいと考えています。

  • 気になる症状

  • 検査結果への不安

  • 治療中のつらさ

  • 治療後の再発の恐怖

  • 在宅療養の希望

どんな小さなことでも構いません。
あなたの悩みに、私たちは必ず応えます。

気になることがあれば、いつでもご相談ください。