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【腋汗・多汗症でお悩みの方へ】保険で治療できます!当院の多汗症診療ガイド
こんにちは、うじな家庭医療クリニックです。
春から夏にかけて、「脇の汗ジミが気になって好きな服が着られない」「人と握手するのが怖い」「汗のことが頭から離れず、仕事や勉強に集中できない」──そんなお悩みを抱えながらも、「汗くらいで病院に行くのは大げさかな…」と思っていませんか?
実は、過剰な発汗=多汗症(たかんしょう) は、れっきとした医学的な疾患であり、適切な治療によって生活の質(QOL)が大きく改善できます。そして、保険診療として治療を受けられる選択肢が、今は複数あります。
今日は、当院で行っている多汗症の治療について、わかりやすくご紹介します。
■ そもそも「多汗症」とは?
多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて汗が分泌される状態のことです。なかでも、原発性局所多汗症は脇・手のひら・足裏・頭部などの特定の部位に集中して起こるタイプで、有病率は10〜13%とされており、決して珍しくありません。
日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン(2023年改訂版)」では、患者さん本人が困っているなら積極的に治療を行うことを推奨しています。「体質だから仕方ない」と諦める必要はないのです。
■ あなたはどの重症度?HDSS(多汗症疾患重症度スケール)
多汗症の重症度は、HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale) という4段階のスコアで評価します。
| スコア | 状態 |
|---|---|
| 1 | 発汗は気にならず、日常生活に支障なし |
| 2 | 発汗が我慢できる程度で、日常生活にたまに支障あり |
| 3 | 発汗がほぼ我慢できず、日常生活に頻繁に支障をきたしている |
| 4 | 発汗が我慢できず、日常生活に常に支障をきたしている |
スコア3〜4の方は「重症」と判断され、保険適用のボトックス治療の対象となる可能性があります。まずは診察で一緒に確認しましょう。
■ 当院が提供する3つの多汗症治療
患者さんのご希望・ライフスタイル・重症度に合わせて、最適な方法をご提案します。
① エクロックゲル(保険診療)── 日本初!塗るタイプの脇汗薬
**エクロックゲル5%**は、2020年に日本で初めて承認された、原発性腋窩多汗症専用の外用抗コリン薬です。
- 使い方: 1日1回、就寝前に両脇へ薄く塗るだけ
- 仕組み: 汗腺の出口に直接働きかけ、過剰な発汗を抑制
- 特長: 注射が怖い方・まずは手軽に試したい方に最適。保険適用で費用負担が少ない
- 副作用: 塗布部位のかゆみ・かぶれが出ることがあります(使用前にパッチテスト推奨)
2023年ガイドラインでも第一選択薬として強く推奨されている治療法です。
② ラピフォートワイプ2.5%(保険診療)── 拭くだけ!個包装で使いやすい
ラピフォートワイプは、2022年に保険収載された、ティッシュ型の使い捨てシートタイプの外用抗コリン薬です。
- 使い方: 1日1回、使い捨てシートで両脇をさっと拭くだけ
- 特長: 個包装なので外出先・旅行中でもそのままポーチに入れて携帯可能
- エクロックゲルとの違い: 拭くシートタイプのため、テクスチャーや使用感の好みで選べます
エクロックゲルで肌荒れが気になる場合や、使い勝手を重視したい場合にはこちらがおすすめです。
③ ボトックス治療(保険診療 ※重症例のみ)── しっかり効かせたい方へ
ボツリヌストキシン(ボトックス)を脇に注射することで、汗腺を支配する神経の働きをブロックし、発汗を抑制する治療法です。
保険適用の条件(すべて満たす必要があります):
- 🔹 診断: 原発性腋窩多汗症(脇のみ)
- 🔹 重症度: HDSSスコアが3以上の重症例
- 🔹 事前治療: 塩化アルミニウム外用療法などを一定期間試みていること
- 🔹 製剤: 薬事承認を受けたボツリヌス毒素製剤を使用
費用の目安(保険3割負担の場合): 1回あたり数千円〜約1万数千円程度 (初診料・処方料等が別途かかります)
効果・持続期間: 個人差はありますが、1回の施術で約半年効果が持続します。毎日の塗り薬が面倒な方、しっかり効果を実感したい方に向いています。
⚠️ 手汗・足汗へのボトックスは保険適用外(自費診療) となります。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。
■ 治療の流れ
① ご予約・受診
↓
② 問診・HDSSスコア確認
↓
③ 診察・治療法のご提案
↓
④ 外用薬処方 or ボトックス施術
↓
⑤ 経過観察・効果確認
初診時はまず医師が問診・診察を行い、HDSSスコアを確認したうえで最適な治療法をご提案します。「どの薬が自分に合うかわからない」という方も、一緒に考えますのでご安心ください。
■ よくあるご質問
Q. 保険診療で多汗症は診てもらえますか? A. はい、当院では保険適用の多汗症診療を行っています。外用薬(エクロックゲル・ラピフォートワイプ)は重症度にかかわらず処方可能で、重症例にはボトックス保険治療も対応しています。
Q. 手汗・足汗は保険で治療できますか? A. 現在の保険制度では、ボトックス注射による多汗症治療の保険適用は「原発性腋窩多汗症(脇)のみ」です。手汗・足汗のボトックスは自費診療(KYPROS)でご相談ください。
Q. 何科に行けばいいですか? A. 当院(家庭医療・総合診療科)では多汗症の保険診療に対応しています。専門科への紹介が必要な場合も、かかりつけ医としてサポートします。
■ まとめ
汗の悩みは、我慢するものではありません。今は保険で使える薬も増え、治療の選択肢が広がっています。「少し気になるくらい」という段階からでも、ぜひ気軽にご相談ください。
うじな家庭医療クリニックは、患者様のお悩みに寄り添い、丁寧な説明と明瞭な価格で診療を行うことをモットーにしています。スタッフ一同、笑顔でお待ちしております。
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