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「原発不明がん(CUP)に対する遺伝子検査の最前線:当院で行う精密検査で治療選択を導く」

原発不明がん(CUP)は、詳細な検査を尽くしても原発が特定できないがんで、全悪性腫瘍の1〜3%を占めます。従来の白金系化学療法のみでは、生存中央値が1年未満と予後不良でした。しかし近年、診断と治療両面で飛躍的な進展があり、当院でも対応可能な最先端技術が現実のものとなっています。Nature+1

診断の進化:遺伝子・分子プロファイリングの威力

DNA/RNAシーケンシングやDNAメチル化プロファイリング、液体バイオプシー(血中循環腫瘍DNA)、AI病理解析などが統合され、原発を高精度に推定できる時代に。しかも、標準化された比較基準は今後の課題ですが、診断精度向上には確実に貢献しています。Nature

治療戦略の進化:分子ターゲット・免疫療法の登場

大規模ランダム化試験では、組織由来特定をベースにした分子標的治療や組織非依存のアプローチによる治療が、従来の化学療法よりもPFS(無増悪生存期間)を改善することが示されました。さらに、非ランダム化第II相試験では、免疫チェックポイント阻害薬が化学療法抵抗・再発CUPでも高い効果を示す可能性が示唆されています。Nature

当院の強み:精密診断+個別化治療を推進

  • 次世代シーケンシング(NGS)による原発推定と治療標的の検出

  • 血液生検(ctDNA)によるバイオプシー困難時の代替手段

  • 分子標的治療や免疫治療の選択肢提示と実行支援

  • AI病理やメチル化解析などを活用した高精度診断体制

これらにより、当院では原発不明がんにも「診断の明確化」と「個別化治療の選択肢提示」を両立させた患者中心の医療を提供しています。

当院では最新の遺伝子・分子検査体制を駆使し、原発不明がんの「診断」と「治療」の両輪で患者さんに明るい未来を提供する医療を推進しています。ぜひご相談ください。

🩺 がん治療中・治療後の生活でお悩みの方へ
当院では、がん治療に伴う副作用や再発予防、生活支援を行う「がんサバイバーシップ外来」を設けています。
また、治療方針の確認や他院での診療内容について相談できるセカンドオピニオン外来(自費)も対応しています。
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